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心がけていること

下地処理、補修の重要性


弊社では近年、張り替えが増えていますので、椅子・ソファがどのように傷むのかを見てきました。


経年劣化は勿論のこと、下地の未処理、木枠の強度不足、木部の破損、更には生地の特性、

椅子自体のデザイン、縫製~張り込み等の仕上げ方法が影響していることも多々あります。


その経験から少しでも長く使えるように下地処理や補修.部材の交換等をした上で、

デザインや仕上げ方法の変更など、お客様のご要望をお聞きしながら提案させて頂きます。


長く使うためには下地処理、補修等が非常に重要です。


弊社では新規製作時の下地処理は勿論、張り替えでも下地処理や内部の痛みがあった場合には、

できる限りの補修をしています。


特にウレタンゴムは仕上がりに一番影響しますので、張り替え時には交換をお勧めしています。

(劣化が著しいと判断する場合は交換が必須となります)

「一事が万事」

弊社では張り替えの際、

生地を留めている針を一本残らず

抜きとるようにしています。

そして、生地を綺麗にはがしています。

そこまでしなくても仕上がりに大差はでませんが、

ああああ「一事が万事」

そうすると他の作業にも自然と気を遣えますし、

やらなくなると他の作業までずさんになってしまう気がするからです。

経年劣化の補修と下地処理


待合室のベンチシートです。

見た目以上に内部はかなり傷んでいます。

座った時の沈み込みが著しいです。

(三重県桑名市の御客様)




生地をはがすとウレタンゴムの劣化は

想像通りかなり進んでいました。



その下にはウェービングゴムと言って、

ベルト状のバネが敷かれています。


これが切れてはいませんでしたが

かなり伸びきっていました。

沈み込みの一番の原因です。


今回の重要な作業はこのウェービング

ゴムをSバネと言って鉄素材のバネに

交換することです。


その為にウェービングゴムを

全てはがします。


生地も綺麗にはがしてあります。


(手前の白い生地は下地の一部です)



Sバネの上に敷く下地シートが

破れにくいように

木部の角がたった箇所を面取り

といって、なめらかにします。


下地シートが破れるとウレタンゴムも

早く劣化するので

この作業が非常に重要です。





Sバネをしっかりと取り付けます。


座面と背面の両方に下地シートを

張ります。


この後に新しいウレタンゴムを

貼り付けます。


完成です。

施工前は縦のキルティング線が多く

入っていました。

縫い目が表にでる手法です。

しかし、これが使っているうちに

線に沿って破れる原因になります。


そこで、

4人用と解りやすいデザインで、しかも

縫い目が下に隠れるような縫製に

変更して破れにくくしました。

面取りの重要性




見た目は座面が破れているだけですが、

クッションはかなり傷んでいました。

マルニ木工の “ベルサイユ” です。

(名古屋市瑞穂区の御客様)



張地をはがしてみると、思った通りに

ウレタンゴムは劣化していました。


ウレタンゴムの両端が切れたように

なっています。




ウレタンゴムをはがすと、Sバネの上に敷く

下地シートが木枠に沿って切れています。。

切れ目でクッションを支えれなくなる、


これがクッション材が早く傷む要因です。



木枠の内側が角張っています。

座るとここに負荷がかかり、

上の画像のように切れるわけです。


この状況を非常に多く見てきましたので

ここを削ります。


木枠の角が角張った箇所を

削ってなめらかにします。


この面取りは重要な作業です。


これだけで耐久性が大きく

違うのに、殆どされていません。




角を削り、面取りをしました。

これで下地シートとウレタンゴムが

確実に長持ちします。





下地シートをしっかりと張ります。





ウレタンゴムを新しく成形します。





落ち着いたグリーン、

鋲は金色が錆ついた加工で、味わいがあります。


→詳細な工程はこちらへ

補強と補修


飛騨産業の立派な木製フレームソファを張り替えた時に沢山の補修と補強をしました。

是非、ご覧ください。→こちらへ

デザイン変更

座面と背面が繋がる腰部で縫製してあるため、座るとつってしまう破れやすいデザインでした。

(実際に破れていました。先を考えていない製品はあるものです。)

これを側面を含めて、座面、背面共に腰の奥の木部に留める一般的なデザインに変更しました。

名古屋市緑区の御客様)

仕上げ方の変更 例1

座面背面共にデザイン上の縫製が多用されていますが、無駄がでやすい本革を有効利用するために

パーツを細かくして繋いでいます。ソフトレザーで張り替えましたので、デザインをすっきりさせて加工費を減らしました。

(名古屋市天白区の御客様)

仕上げ方の変更 例2

上と同じ状況のソファです。負担のかかる座面に縫製上のデザインがあると

破れやすくなりますので、シンプルな仕上げに変更しました。(名古屋市天白区の御客様)

内部のリメイク(ちょっとした改造)

某オフィス家具メーカー製でした。座面内部が抜け落ちやすい構造でしたので同じ方法で直しても

意味がありません。厚めの合板を敷いて固定、ウレタンゴムを新しくしました。

座り心地は硬くなりましたがもう大丈夫です。(愛知県一宮市の御客様)

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